弘前のスペースデネガ(弘前市上瓦ケ町)で3月28日~30日、津軽塗・漆塗りの新しいブランド創出を目指す目的で「漆 試作品展覧会」が開催された。
会場に展示された試作品は、畜光顔料やアルミニウム粉末など、これまでの伝統的な津軽塗・漆塗りではなかなか用いられることのなかった素材を使った漆手板が50種類以上並んだ。現段階ではあくまで試作品だが、津軽塗・漆塗りの新しい可能性を感じさせる光沢や質感を持った作品が目立った。
これらの試作品は、3人の若手の津軽塗職人(北畠栄理子さん、島守宏和さん、三上優司さん)が製作したもの。会場には、指輪や髪飾り、化粧筆など、主として女性向けの小物も展示された。
主催した津軽塗新ブランド創設プロジェクト代表の池田守之さんによると、「津軽塗職人の、特に若手職人が活躍できる新しい場所・機会を生み出すのが目的」という。「今後も長期的なスパンで、新しいブランドを作り出すことにより、伝統的な津軽の漆器産業の継承・発展に少しでも貢献していきたい」とも話していた。