大間埼灯台利活用コンソーシアムは、昨年度に引き続き、日本財団「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて、本州最北端の孤島にある「大間埼灯台」の価値を掘り起こすとともに、立地のハンディをむしろ逆手に取って観光面で活用するためのチャレンジを行っています。今年度の取組みとして、離島にある大間埼灯台だからこそ実現出来る「漁船だからこそ、めちゃくちゃおもしろいクルーズ」を商品化し、2025年9月20日(土)~2025年9月21日(日)に「大間も尻屋も経験した灯台守とめぐる!本州最北端の灯台どっぷり旅」を開催いたしました。このイベントは、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」の助成を受けて実施したものです。

<イベント名>
大間も尻屋も経験した灯台守とめぐる!本州最北端の灯台どっぷり旅
<開催概要>
本州最北端の孤島、弁天島にそびえ立つ「大間埼灯台」の観光活用を目指す取り組みの一環として、「漁船だからこそ、めちゃくちゃおもしろいクルーズ」を商品化。2025年9月20日~21日、灯台愛に溢れ、全国にある灯台をアクティブに巡っている灯台マニアを招聘し、「大間も尻屋も経験した灯台守とめぐる!本州最北端の灯台どっぷり旅」を開催。
●1日目:9月20日(土)
・14:50 尻屋埼灯台駐車場集合
・14:50~16:00 尻屋埼灯台を堪能
(尻屋崎→大間移動)
・18:30 大間崎「マリンハウスくどう」にて夕食交流会
<宿泊:マリンハウスくどう>
●2日目:9月21日(日)
・8:50 マリンハウスくどう集合
・9:00~10:00 大間埼灯台ガイド<大間崎>
・10:10~10:30 高台から大間埼灯台の風景を愛でる、撮影<西吹付山展望台>
・10:40~11:00 灯台レンズ見学<北通り総合文化センター「ウイング」>
(・11:25~11:40 海の女神「天妃様拝殿を見学<大間稲荷神社>)
・11:45~12:45 昼食懇談会<浜寿司>
・13:00 解散
<日程>
2025年9月20日(土)14:50~ 2025年9月21日(日)13:00
<開催場所>
尻屋埼灯台(青森県下北郡東通村尻屋字尻屋崎1-1)
大間崎(青森県下北郡大間町大間大間平17-1)
西吹付山展望台(青森県下北郡大間町大字大間字内山48-1)
北通り総合文化センター「ウイング」(青森県下北郡大間町大字大間字内山48-164)
<参加人数>
灯台マニアの方:2名
青森県内動画配信者:2名※9/21のみ参加
今回のモニターツアーにおいて両日とも灯台ガイドを務めてくださったのは、元海上保安庁職員・中川隆司さん。定年退職後はむつ市に住んでいる中川さんですが、初任地だった大間埼灯台と尻屋埼灯台に対する愛が深く、灯台ガイドを買って出てくださいました。灯台マニアとして参加してくださった、辻さんと岩岡さんは、自らを「灯台ハンター」と称するほど、灯台に対しての愛と知識に溢れています。天候が悪い中でも、名古屋市と横浜市から駆け付けてくれました。
ツアー1日目、まずは尻屋埼灯台に集合、残念ながら雨のスタートです。強風のため内部の見学は叶いませんでしたが、灯台をぐるりと一周しながら、『染み出るだけですが井戸があって』など、滞在管理をしていた当時の官舎の様子を灯台ガイド・中川さんから聞くことが出来ました。
その後、大間町に移動し、大間埼灯台が目の前に見える民宿「マリンハウスくどう」へ。ご主人の父・工藤竹美さん(故人)は熱血の灯台守で、中川さん曰く海上保安庁の中でも「伝説のOBと呼ばれていた方」だというご縁もあり、海上保安学校時代の写真などを見せていただきました。灯台を10年で3000基制覇したという参加者の辻さん、台湾の灯台にまで足を運んだという岩岡さんのお話を聞きながら、灯台愛に溢れた会話でいっぱいの夕食会で交流を深めました。

動画配信者のお2人も加わった2日目。強風のため灯台ウォッチングクルーズが出来なくなりましたが、お天気には恵まれ白波の中に大間埼灯台がばっちり見えるシチュエーション。灯台ガイド・中川さんから『尻屋は周りの明りが見えないので諦めもつくんですが、島からは大間の町は見えるし函館も明るいので、人が恋しくなってしまって膝を抱えて夕日を見たこともありました。』『勤務交代する時、時化で3日間足止めを食らった時があって。米や味噌はあるんですが、生鮮食品はなくなりますから、食事は質素になりますよね。』など大間埼灯台勤務時のお話を聞き、離島生活の過酷さを知りました。
大間崎から移動し、北通り総合文化センター「ウイング」へ。展示されているのは、大間埼灯台が初点灯した1921(大正10)年から働き続けてきた「第四等水銀槽回転式フレネルレンズ」。1999(平成11)年、新型灯器の導入によって役目を終えた後、公益社団法人燈光会の所有となり、島根県にある灯台で展示される予定でしたが、海保OBの方がなんとか大間に残したいと熱心に働きかけ、燈光会から貸与という形で大間に戻ってきたとのこと。その熱心に働きかけた方というのが、灯台愛溢れる伝説の海保OB・工藤竹美さんだったということで、『おおー!』という感嘆の声が上がりました。

昼食懇談会では、大間のマグロを食べながら今回のツアーについて振り返ります。
『灯台の魅力っていくつかあるんですが、私は灯台が人里離れた岬で昼夜を問わず頑張っている姿を、行くのが大変でも見ることが出来ると感動してしまいます。今回、私の知識も深まってもっと灯台が好きになりました!』『実際に灯台守さんの生の声をこれだけ聞くっていうのはなかなかなかったので、非常にタメになって楽しかったです!』との声をいただきました。
今回のモニターツアーでは、大シケのため灯台ウォッチングクルーズが実施出来ないという結果に。実は、海の状況を見ながらクルーズだけではなく、特別に上陸するというサプライズも企画していたのですが、悪天候に泣かされました。天候に左右される厳しい環境であることをむしろ特別感に変えて、灯台愛溢れる灯台マニアの皆さんと『弁天島に上陸出来る日まで、毎年集まりましょう!』と、来年の再会を約束。灯台マニアのみなさんが、毎年大間に集まっていただけるツアー内容をブラッシュアップして、「灯台ハンターの聖地」を目ざします。

(乗船記念品を来年の招待状に換えて)

本州最北端の地・大間崎から沖合600m北にある、弁天島に立つ大間埼灯台。「しろくろ灯台」という愛称で呼ばれています。海流が激しく、滅多に上陸することも出来ない弁天島。「近くて遠い大間埼灯台」をもっと身近に感じてもらえるように、「漁船だからこそ、めちゃくちゃおもしろいクルーズ」を商品化。漁船でしか近づけない大間埼灯台へ、ガイドの解説を聞きながら灯台のある弁天島を360度ぐるりと一周します。ここでしか聞くことの出来ない大間埼灯台のガイドや、水しぶきを浴びる「リアルスプラッシュ」もあるクルーズでは、ベテラン漁師しか行けない難所や激しい海流も体感することが出来ます。
<団体概要>
団体名称:大間埼灯台利活用コンソーシアム
URL:
https://omasaganacco.jp/cruise/
活動内容 :大間埼灯台の価値を多面的に調査し顕在化させ、観光資源としての新たな活用法を見出し、持続可能な事業として実施できる体制の構築を目指す。
海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、日本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、持続可能な灯台利活用事業の開発を実施する団体に対して資金面および企画運営の助言等のサポートを行う事業です。灯台を訪れる人を増やし、海や周辺地域への興味関心を高めることを目的とした単体または複数の灯台を活用する事業企画を対象とします。
海と日本プロジェクト公式サイト
https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト
https://toudai.uminohi.jp/