弘前大学のサワダ・ハンナ・ジョイ准教授が編・訳を手がけた単行本「日本語と英語で読む津軽の文化遺産」が3月31日、弘前大学出版会から刊行される。
津軽地方の文化を、振り仮名付きの日本語と簡明な英語のバイリンガル形式で紹介する同書。サワダさんら10人の執筆による全13章構成で、縄文時代から現代までの歴史や、信仰、工芸、芸術、文学などを解説している。
サワダさんはニュージーランド出身で、同大の国際連携本部で海外留学の支援や留学生の受け入れなどを担当している。2001(平成13)年に同大国際交流センターで初めての専任教官として着任。留学生のニーズに応えようと、青森の文化を英語と日本語の両方で学ぶ独自のカリキュラム「津軽学」を立ち上げ、今年で25年を迎えた。
コロナ禍の際には留学生の受け入れがストップしたことを受け、地域の専門家と共に津軽の文化をユーチューブ動画で発信。本書は、それらの関係者による文献や、2008(平成20)年に出版した津軽学のテキスト「日本語と英語で読む津軽学入門」(現在は絶版)の収録内容を新たにまとめた。
日本語を学ぶ留学生でも理解しやすいように、専門家による学術的な表現は平易な言葉に編集し直した。日本の読者にとっては「津軽を英語でどう説明するか」を学ぶ教材として活用でき、地域を訪れる旅行客やインバウンド客をもてなす観光関係者にとってはガイドブックとしても使用できる。
「授業では津軽の文化をただ単に知識として伝えるのではなく、自分自身の感激を届けることを大切にしている。この本も『地域の人がどう生きてきたか』という人間性を感じるエピソードを拾い上げた」とサワダさん。「留学生や地元の人たちなど、いろんな人が自分の言葉で津軽のストーリーを語るための『ネタ帳』として使ってほしい」と笑顔を見せる。
B5変形判、300ページ。価格は2,970円。県内の書店やオンラインショップなどで販売する。