旅館「ヤマニ仙遊館」(青森県南津軽郡大鰐町)で12月16日、「太宰治コンセプトルーム」のお披露目会が行われた。
1872(明治5)年創業の同旅館。青森県内で現存する旅館建築物としては最古で、国登録有形文化財に指定されている。青森出身の作家・太宰治が20歳の頃、母と一緒に数日間滞在したことでも知られ、コンセプトルームは太宰が泊まったという部屋を改装した。
コンセプトルームは2部屋を用意し、元ねぷた絵師で水墨画家の村元芳遠さんが襖絵(ふすまえ)を描いた。「藤の間」の襖絵は弘前城と弘前公園のサクラで、「菊の間」は芦野公園と津軽鉄道を描く。障子には岩木山の切り絵のシルエットを貼る。このほか、火鉢や本型のティッシュ入れなどを置く。
「藤の間」は12月1日から宿泊プランの販売を始めた。「菊の間」は12月25日以降の販売を予定する。宿泊者には国産ヒバ材のエキスが入った30ミリリットルのオリジナルスプレーを進呈する。
5代目店主の菊池啓介さんは「当初は太宰治のイラストを大きく描かれた部屋などのアイデアがあったが、太宰を感じられるような部屋にしたかった。実際に太宰が泊まった場所で太宰の生まれた津軽の風景を感じてもらえたら」と話す。
宿泊料金は1泊朝食付き=平日1万3,000円~。