弘前ねぷたまつりに「出陣」した子どもたちが描いたねぷたが現在、Xで「かわいい」と話題を集めている。
8月1日~7日に開催された弘前ねぷたまつり。全66のねぷた団体が参加した今年の合同運行で、話題を集めたのは、子どもたちが描いたねぷた絵。弘前在住の芸人・砧川キヌ子さんが8月6日に「すーごいかわいいです」(原文ママ)と動画を投稿したところ、4500以上のリポストがあり、動画は180万回再生された。
弘前ねぷたまつりでは扇型のねぷたに本来はねぷた絵師がねぷた絵を描くが、幼稚園や保育園などが参加する団体では、ねぷた絵を子どもたちに描かせるケースが多い。話題を集めている「弘前文化学院 文化幼稚園」(弘前市紙漉町)では毎年町内運行のためにねぷたを作成していたが、今年は創設70周年を記念し、初めて合同運行に参加した。
合同運行参加に当たっては、年中組と年長組に分かれてねぷたを2台作成。年中組の先生によると、園児たちは、ねぷたを常設する観光施設「津軽藩ねぷた村」を見学し、画用紙にねぷたを描いたという。その中から選ばれた園児のイラストをもとに鉛筆で下書きし、墨書きをして色塗りをした。「年長組31人全員で書いた作品。合同運行は初めてだったが、沿道の大人たちから拍手や声援をもらい、子どもたちも喜んでいた」と同先生。
よつば保育園(南大町1)では年長組の6人が鏡絵(正面の絵)に「風神雷神」を描き、全員で色塗りをした。弘前みなみ幼稚園(原ケ平山中)では年長組15人の園児たちが鏡絵に「藤原秀郷と大百足の戦い」、袖絵に「えんとつ町のプペル」、見送り絵に「龍神の姫」を描いた。
弘前みなみ幼稚園園長の秋元信行さんによると、テーマは子どもたちと決めたという。同園では郷土教育の一環で、ねぷた絵師からねぷた絵を学ぶ時間を設けており、合同運行への参加は1992(平成4)年から行っている。
秋元さんは「合同運行に幼稚園として単独で参加したのは当園が初めてで、以前は町内運行だけだった。当時から園児たちにねぷた絵を描かせていたのは、『子どもたちのねぷた』という考えがあったから」と話す。
Xに投稿した砧川さんはXの反応を見て、「ニュースや新聞で取り上げられるのは、受賞したねぷた絵や有名なねぷた絵師の作品。子どもたちが描くねぷた絵が運行することを初めて知った県外の人やネットユーザーも多く、新鮮に見えたようだ」と笑顔を見せる。