弘前を拠点に活動するランニングチーム「At Will(アットウィル)」が7月15日、ごみ拾いとジョギングを組み合わせた「プロギング」に初めて挑戦した。
プロギングはスウェーデン発祥のフィットネスで、「プロックアップ(拾う)」と「ジョギング(走る)」を組み合わせた造語。健康づくりと社会貢献につながる活動とされる。
リレーマラソン大会への出場をきっかけに結成した「アットウィル」は、「ただ走るだけでは面白くない」「朝活をしたい人が参加できるように」と「プロギング」に乗り出したという。この日はメンバー6人が繁華街・鍛治町の施設「城東閣」を発着点に土手町や中央弘前駅前を巡った。ごみは吸い殻の割合が多く、空き缶やペットボトルも目についた。
同チームのプロギング活動幹事の中野渡卓也さんは「街中は思っていたよりはきれいだったが、実際に拾い集めたごみを見てみると量は多い。弘前を訪れた人がきれいな街だと思ってもらえれば」と話す。
弘前ではプロギングに取り組んでいる団体が複数あり、団体同士の輪が広まりを見せている。弘前在住の女性を中心に組織する市民団体「津軽美人プロジェクト」は、2016(平成28)年4月から冬季(12~2月)を除き月1回のペースで土手町を中心に活動。代表の成田瑞穂さんは「女性は大人になると交友関係が薄くなってしまう人が多い。当初はプロギングという言葉を知らず、気軽にふらっと参加できる活動がしたかったのが始まり」と話す。
集合場所は旧みちのく銀行土手町支店前で活動時間は7時から1時間程度。開催前日にフェイスブックページで告知する。ごみ拾いに必要な道具は貸し出し、子ども連れや男性の参加も可。魅力について、成田さんは「プロギングをするとその日一日がすっきりする。知らない人にあいさつしてもらったり、ありがとうと言ってもらったり、街の人と接することができるのはいいこと」と話す。
プライベート・ジムVIDA(山道町)の利用者でつくる「ひろさき筋肉奉仕隊」は2023年4月から月1回ペースでプロギング活動をしている。同ジム代表の藤田慎太郎さんは一般社団プロギングジャパンの認定プロギングリーダーの資格を取得し、活動に精を出している。
藤田さんは「これまでプロギングを続けてきた中で、弘前公園や土手町など、観光地として名が知れている場所はごみが少ない。一方で観光地の裏路地だったり住宅街に行ったりすると途端にごみが多くなる。通学路や通勤路、観光地へ向かう通り道も多い」と指摘。プロギングが広まりを見せていることに「住み良い街にしようとする同士が増えたことは非常に心強く思う。弘前で大きなプロギングのイベントを開催できれば」と意気込む。