シロバナタンポポ保全団体「シロバナの再考」が5月3日、多目的ホールあぷる(板柳町)でワークショップ「白いたんぽぽを植える会」を開催した。
シロバナタンポポは、西日本に多く自生する花の色が白い日本の在来種。板柳町館野越にある古館城址(じょうし)内「北畠家旧家屋」の敷地内には、江戸時代の本草学者・紀行家の菅江真澄が薬草として持ち込んだとされるシロバナタンポポが、200年以上も根付いている。
北畠家分家の子孫に当たる「シロバナの再考」代表の北畠清美さんが、「現在の板柳町の小中学生にシロバナタンポポのことを知ってほしい」とワークショップを初めて企画した。
北畠さんによると、温暖な気候を好むシロバナタンポポは、東日本では人の手がなければ生息が難しいという。「北畠家旧家屋」にあった株数は年々減少し、1株にまでなった。「板柳と共に生きてきた歴史を守りたい」と北畠さんらは2021年、シロバナタンポポ保全プロジェクトを始動。弘前大学教育学部勝川健三教授と協力し、現場訪問や研究調査を重ね、株数を増やすことに成功。今後も株数を増やせるように研究を重ねている。
ワークショップには町内に住む小中学生36人とその保護者らが集まった。当日は2部構成で進行。1部では北畠さんが自ら描いたイラストのスライドショーを見せながら、シロバナタンポポの歴史を伝え、2部では実際に会場の屋外にある花壇にシロバナタンポポを植えた。
参加した小学生は「シロバナタンポポは他の地域にはあるけれど、板柳でずっと残っているのがすごいと思った」と話す。別の小学生は「現在は1株しか残っていないと聞いて守っていかないといけないと思った。今後もこのような機会があれば参加したい」と意気込んだ。
北畠さんは「このワークショップがシロバナタンポポを知るきっかけになればうれしい。今後も保全のための活動を続けていきたい」と締めた。