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弘前・土手町のシンボル「一戸時計店」 時計台保存のための資金募集

一戸時計店

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 中土手町商店街振興組合(弘前市土手町、TEL 0172-33-7001)が3月26日、元「一戸(いちのへ)時計店」の時計台保存プロジェクト支援者募集を始めた。

一戸時計店を描いたさまざまな版画

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 一戸時計店は、1899(明治32)年に建てられた木造2階建ての建築物で、風見鶏のついた円すい屋根の時計台モチーフの造形が特徴。1920(大正9)年、一戸時計店が同物件に移転開業し、土手町の「時計台」として親しまれていたが、2018(平成30)年、店主の一戸紀雄さんが亡くなったため廃業した。

 中土手町商店街振興組合理事長で「平山萬年堂」(土手町)店主の平山幸一さんは「廃業後は一時、弘前れんが倉庫美術館の簡易事務所として使われたり、イベント会場として活用されたりしたが、老朽化が進み、現在は空き物件となっている」と話す。

 平山さんによると、一戸時計店の親族も建物を残したい思いがあるといい、組合が使うのであれば協力したいとの意向を確認しているという。同建築物は昨年、弘前市の「歴史的風致形成建造物」指定を受けたため、改修費用の3分の2は弘前市や国の補助金該当となった。平山さんは「残り3分の1の改修費用調達のため、クラウドファンディング・プロジェクトを立ち上げた」と話す。

 「特に弘前を知る50代以上には『土手町のシンボル』として愛されてきた時計台を、私たちの世代で壊されるようなことは避けたい。未来に残していきたいと考えた。改修後の維持費は当組合が取得することで事務所代としてねん出する。一般公開もできるような状態にしたい」とも。

 クラウドファンド支援コースは3,000円~10万円の6種類。リターン品は一戸時計店を描いた版画をベースにしたクリアファイルなどを用意する。版画は故・一戸紀雄さんの弟・泰彦さんによる作品で、親族から特別に借りた物という。

 同プロジェクトには現在、弘前の芸能事務所リンゴミュージックの樋川新一社長、お笑いコンビ「シソンヌ」のじろうさんも応援コメントを寄せている。平山さんは「ありがたいことに、多くの人に思いを伝えることができている。時計台を残し、弘前の歴史や文化を感じてもらえるようにしたい」と話す。

 募集締め切りは5月15日まで。

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