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弘前の喫茶店「ピンクベア」閉店へ 「〆パフェ」を定着、46年の営業に幕

46年営業を続けた「ピンクベア」店内

46年営業を続けた「ピンクベア」店内

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 弘前の喫茶店「珈甘堂(こーかんどう)ピンクベア」(弘前市桶屋町)が10月17日、閉店する。

看板メニューの一つ「あんみつ」

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 「ピンクベア」は繁華街・鍛冶町で46年続く老舗で、創業は1975(昭和50)年10月。自家製アイスクリームを使ったパフェを中心に提供し、弘前に「〆パフェ」文化を定着させた。百田忠弘さん・由美さん夫婦が二人三脚で続けていたが、体調を崩した忠弘さんは5年前から店を離れた。現在は由美さんが一人で店に立っている。

 創業当初のメニューはあんみつと自家製のアイスクリームだけだった。忠弘さんは喫茶店で働いていた経験を生かして、メニューを開発。由美さんによると、パフェは開業からしばらくたってから提供を始め、看板メニューになったという。

 店内は古時計やドライフラワー、絵画などが並ぶ。「喫茶店といえば花と絵画。雑誌を置いていた時期もあったが、昔の喫茶店といえば店内の絵画や花などを見ながら時間つぶしをしていたもの。生の花は46年の営業の中で切らしたことがない」と由美さん。

 最盛期には営業を14時から翌2時まで続けていたこともあった。定休日は設けず1カ月に一度休む程度。家族連れやデートスポットにも使われるようになり、近年は3世代で訪れる客もいたという。由美さんは「店を始めた頃に来てくれた学生だったお客さまが結婚して、その子どもが子どもを連れて来てくれた。ありがたい話でうれしい」と笑顔を見せる。

 閉店は7月中旬から常連客に告知していったところ、クチコミで広がった。閉店理由については「介護が必要になった夫の面倒を見るため、店は続けられなくなった」と明かす。「最後の営業日は日曜にしたかった。日曜にしか来られない家族連れのお客さまもいるから」と由美さん。

 「全国に散らばってしまったお客さまがたくさんいる。名前を知らない人が多いが顔はしっかり覚えていて、私にとっては大切なお客さま。46年間の営業で心残りがあるとすれば、新型コロナウイルスの影響でなかなか来られない状況にあり、最後に感謝を伝えられないこと」とも。

 現在提供を中止している人気メニューは、「少しでも喜んでもらいたいから」と最後の営業までに復活を考えているという。現在、閉店の知らせを聞いた客が連日訪れるようになった。由美さんは「すべて手作りで一つ一つ作っている。一人でやっているので、提供までに時間がかかってしまうかもしれないがご了承いただければ」と話す。

 営業時間は14時~23時。

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