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リンゴの専門用語をTシャツに スポンジ印の温かみを伝える

「ぽんぽんTシャツ」上から時計まわりに「電冷」「有袋」「モールドパック詰」

「ぽんぽんTシャツ」上から時計まわりに「電冷」「有袋」「モールドパック詰」

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 弘前のアートプロジェクト「弘前時計会」が6月1日、リンゴの出荷情報を印字するスポンジ印を使った「ぽんぽんTシャツ」の販売を始めた。

「ぽんぽん」と呼ばれるスポンジ印

 「弘前の旧くて新しいを見つける」をコンセプトに「Next Commons Lab弘前(以下、NCL弘前)」の樽澤武秀さんが立ち上げた同アートプロジェクト。NCL弘前は、弘前市と連携して地域資源を活用した事業進出を目的として活動する団体で、樽澤さんは2019年12月から参画し、弘前には約20年ぶりにUターンした。

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 「ぽんぽん」とは、リンゴを梱包するダンボール箱に品種や等級などを記すために作られたスタンプ。「ぽんぽん」と押印する姿から「ぽんぽん」という愛称がつき、業界内では「ゴム印」とも呼ばれている。

 「ぽんぽん」を開発したのは、1894(明治27)年創業の三照堂印店(弘前市一番町)4代目・木村忠資さん。1960年代に出荷情報をリンゴの木箱に型板を使って塗っていく手間を見た木村さんが、印字しやすく耐久性に優れたスタンプとして開発したところ、大ヒット商品となった。

 樽澤さんは「地元では当たり前の道具となってしまっている『ぽんぽん』のフォント(字体)は一つ一つ手作りで、温かみがある。使われるリンゴの専門用語にも面白みを感じ、背景や文化を読み解くとその奥深さに自分自身がはまってしまった」と笑顔を見せる。

 販売するのは、「有袋」「モールドパック詰」「電冷」の3種。それぞれリンゴの栽培や出荷に合わせた言葉にした。「有袋」は害虫からリンゴを守るための栽培方法を示し、「モールドパック詰」はリンゴの梱包資材のこと。「電冷」は「電気冷蔵」の略で、家庭冷蔵庫が普及していなかった時代の最新技術を示すスタンプだという。「『有袋』に対する無袋栽培の『無袋』や、品質を表す『優秀』『特選』といった『ぽんぽん』もあり、ラインナップは増やしていきたい」と樽澤さん。

 Tシャツの文字は発泡プリントで、スタンプの凹凸感を表現する。オーバーサイズのTシャツでMとLの2サイズのみ。初回出荷分のみ、リンゴの端材で作ったオリジナルネームタグを進呈する。

 樽澤さんは「リンゴの専門用語だが、例えば箱入り娘には『有袋』を着せるといった楽しさや、意味は伝わらなくても、文字としてのおもしろさもある。『ぽんぽん』という弘前発のスタンプを多くの人に知ってもらう機会になれば」と笑顔を見せる。

 価格は5,500円。販売場所は、弘前れんが倉庫美術館に隣接する「CAFE & RESTAURANT BRICK」(吉野町、TEL 0172-40-2775)内のミュージアムショップ。