
時敏小学校近くに美術教室「アトリエ クレタ カルタ」(弘前市宮園1、TEL 090-5079-4771)が7月12日、オープンした。
20年以上イタリアに住み、今年3月に弘前へ移り住んだ彫刻家・佐々木史雄さんが始めた同教室。「クレタ」は粘土、「カルタ」は紙を意味するイタリア語。佐々木さんは「語感が気に入った造語だが、声に出して覚えてくれる学校帰りの子どもたちがいてうれしい」と話す。
佐々木さんは北海道生まれ。弘前には小学2年から中学3年まで住んでいたという。高校から東京へ行き、イタリアの奨学金制度を活用してイタリアの美術学校に進学。ローマには8年間、ミラノに13年間滞在し、創作活動を続けながら日系企業に勤めていた。
弘前を移住先に選んだことについて、佐々木さんは「家庭の事情はあったが、仕事を辞めて創作活動を本格的に始める地として東京ではない気がした。弘前とミラノは街の規模は全く違うが、住んでいる人の時間の感覚などは似ている」と話す。
アトリエは築30年の民家の和室2部屋を一つにした。畳ははがし、押し入れや床の間は作品を展示するスペースにした。アトリエでは7月19日まで佐々木さんと妻のイ・ソナさんの作品を展示する。見学を希望の際は、事前予約が必要。佐々木さんは「近いうちに私は個展を開き、妻は韓国語や韓国料理の教室を開きたい」と話す。
美術教室の受講料は1回90分・月4回=5,500円(材料費別途)。佐々木さんは「大人から子どもまで、造形、絵画、デッサンなどさまざまな美術に触れられるような教室にしたい。作ることの奥深さに触れられる場になれば」と話す。