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青森県西目屋村に明治大学生が農業支援体験-りんご収穫を手伝う

雨の降る中、りんごをもぐ明治大学の学生たち。「ズシリと重くて、食べると酸味と甘みが詰まっている。これがりんごの味なのか」と驚く学生も

雨の降る中、りんごをもぐ明治大学の学生たち。「ズシリと重くて、食べると酸味と甘みが詰まっている。これがりんごの味なのか」と驚く学生も

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 明治大学農学部(神奈川県川崎市)の学生によるりんご収穫作業の支援体験が、青森県西目屋村で10月28日~11月3日に行われた。11月2日のりんごもぎにはOB・OGも参加した。

収穫したりんごを軽トラックの荷台に積みこむ講師の本所靖博さん(写真中央)と研究室の学生。普段は老夫婦2人で作業を行う作業のため、学生が手伝ってくれて大助かりだという

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 この支援体験は、明治大学農学部環境資源会計論研究室専任講師・本所靖博さんと同村の共同事業。人口1500人という県内最小人口の同村に外部からの定住者を招くための「地域担い手育成」を目的として行われている。2012年に始まり、研究室に所属する学生がインターンシップの場として西目屋村に赴き、雪かきや清掃活動、祭りへの参加など村民との交流を重ねてきた。学生の村への訪問はこの3年間に12回・延べ人数100人に及ぶ。

 「5年というスパンで計画しているので、年度により途中で卒業する学生もいれば、途中から引き継ぐ学生も出てくる。実際に村を訪ねそこで暮らす人々と触れ合い、生活を体験することで『他人事』ではなく『自分事』として村のことを考えるようになり、忘れられない思い出になる」と本所さんは話す。当初は学生との間に壁を設けていた村民の意識にも変化が見られ、「おめだちこんどいづ来るのよ」「たげ(とても)助かるじゃ」と学生に気軽に声を掛けるようになったという。

 次年度からは都内・近郊在住の社会人の一般参加を目指しており、今回はその実験として同研究室の卒業生が参加した。中には2年前に訪れたりんご園での農家との再会に、お互い涙を浮かべる光景も見られた。

 OG2年の岩崎麻衣子さん(神奈川県在住)は「作業の休憩中に農家の方から頂いたりんごジュースが、とても濃厚で感動した。関東では飲めない味」と話す。学生たちがりんご収穫の支援を行ったりんご園の一つを経営する佐藤武由さんは、「村に若い人たちがたくさんやって来てくれて、活気にあふれるのがとてもうれしい。りんご農家はどこも後継者不足に悩んでいるが、外部から若い人たちを受け入れる体制を村全体でもっと整えていきたい」と話した。

 同日の夜には学生と農家の人たちの慰労会も行われ、さらに親睦を深めた。「次からは自分の家に泊まるとよい、という農家さんが出てきてくれた。学生の意識を高めていくためにも、交流がさらに深まるのが望ましい」と本所さん。次回は翌年2月の乳穂ヶ滝氷祭に参加のため訪問予定だという。

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