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弘前の公園犬「メモリアルドッグ」が屋内展示へ 市民の声は

メモリアルドッグがいなくなった吉野緑地公園

メモリアルドッグがいなくなった吉野緑地公園

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 吉野町緑地公園(弘前市吉野町)でこれまで屋外展示していた白い犬のオブジェ「A to Z メモリアルドッグ」が昨年12月1日、屋内展示になった。

犬小屋をイメージしたという展示スペース

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 弘前市出身の現代美術アーティスト・奈良美智さんが手掛けた同オブジェは、全長約4.5メートル、高さ3メートル、重量1トンのパブリックアートで、2006年に行われた個展「奈良美智+graf: A to Z」に合わせて制作し、同市に寄贈した物。

 これまで、弘前の観光用ポスターに採用されたほか、市民からは柵で仕切られることない「触れられる」オブジェとして親しまれていた。

 弘前市によると、室内設置の理由は、メモリアルドッグの背中に乗ろうとする人たちが度々いたためという。靴やヒールによって傷がつき塗装が剥げてしまったことで、昨年7月から修理に出していた。

 同園で「旅行中」状態としていた同オブジェは、約4カ月間の修復期間を経て復活。市と奈良さんとの間で何度も相談を重ねた結果、注意書きの看板や柵の設置なども検討したが、公園の景観を考慮し、室内展示に決めたという。

 同オブジェは現在、同園に隣接する赤レンガ倉庫内の一画を改修した場所に設置。「犬小屋」をイメージしたというガラス張りの部屋の中で展示している。内側の照明は6時~22時、外側は16時~22時まで点灯する。

 市民の間では現在、さまざまな意見が交わされている。30代の女性会社員は「青森県立美術館の『あおもり犬』と比べて身近に感じられる屋外展示がよかった」と話し、屋内展示に異論を唱える一方、20代の女子学生は「作品として展示していた物が傷ついてしまうのであれば仕方がない」と話す。40代の男性は「可動式にして小屋から出てくる仕掛けがあるとよいのでは」とアイデアを提案する。

 室内展示のメモリアルドッグを見に来たという女性は「ガラスが曇っていて、犬がよく見えなかったことが残念」と話す。別の女性は「もう少し市民と議論するような場があってもよかったのでは」と話していた。

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