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津軽伝統の駄菓子「大王くじ」を作るワークショップ開催-「昔ながらを残したい」

子どもたちに「大王くじ」の作り方を教える佐藤製菓の佐藤力雄さん(右)

子どもたちに「大王くじ」の作り方を教える佐藤製菓の佐藤力雄さん(右)

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 弘前で2月15日、津軽を代表する駄菓子「大王くじ」を作る子ども向けワークショップが開催された。

津軽の伝統駄菓子「大王いも」「糸引き」「いも当て」

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 「大王くじ」は、「当物(あてもの)」と呼ばれるくじ付き駄菓子の一つ。食紅などで色付けされた花形の白あんで、大中小の3種類があり、台紙のくじをめくって菓子の大きさを決める。津軽地方で知らない人はいないと言われるほど有名とも言われている。

 ワークショップの講師を担当した佐藤製菓の佐藤力雄さんは「台紙に閻魔(えんま)大王のイラストが描かれていることから、大王くじと命名されたのではないか」と話す。「今では大王くじを作っているのが佐藤製菓だけとなった。こういったイベントをやることで、少しでも話題になれば」とも。

 同ワークショップでは、用意された白あんを手のひらで木型に詰め込み、抜き出すところを子どもたちが体験した。佐藤さんが手本を見せると、木型から出てきた「大王」を見て「おー!」と参加者の歓声が上がった。

 参加した小学3年生の大内埜愛ちゃんは弘前市生まれだが、両親は岩手県出身で「大王くじ」を知らなかったという。母アユミさんは「娘が学校でもらってきたチラシで初めて大王くじを知った。このイベントは娘からお願いされた」と話す。埜愛ちゃんは「一度食べたことがある大王くじがおいしかったから」と参加した理由を恥ずかしそうに話す。

 「大王くじ」作りを体験した後は、佐藤製菓が扱う「いも当て」と「糸引き」といった「当物」も販売する駄菓子屋を開き、子どもたちが買い物する側と売る側の体験をした。

 主催したひろさきアフタースクールの境江利子さんは「津軽の伝統的な駄菓子を親子と一緒に体験することや、会話のない買い物ではなく、昔ながらの対面販売を体験することで、伝統やコミュニケーションのありがたさなどを感じてほしかった」と話していた。

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