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世界初・津軽塗スノーボード完全受注生産-300年の職人技と100年の技術

津軽塗スノーボードの生みの親・八木橋綱三さん。脇に抱えるのは、試作品の紋紗(もんしゃ)塗のスノーボード

津軽塗スノーボードの生みの親・八木橋綱三さん。脇に抱えるのは、試作品の紋紗(もんしゃ)塗のスノーボード

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 青森県大鰐町のスノーボードを販売する専門店「マリオネット」(南津軽郡大鰐町、TEL 0172-47-8831)では、世界初の津軽塗スノーボードのオーダーメード受注を請け負っている。

注文用のチラシ。チラシに掲載しているのは赤の唐塗を施したスノーボード

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 受注から製造、出荷までには最低でも2カ月から3カ月を要するという同製品。一台一台手づくりのため、大量生産はできない。「300年の歴史を持つ津軽塗職人の技と、100年の歴史を持つスキーメーカーの製造技術。この2つがそろってこそできるステータスアイテム」と話すのは、同サービスを企画・考案した大鰐町地域交流センター「鰐come」専務理事の八木橋綱三さん。

 八木橋さんは青森県平川市(旧平賀町)生まれの現在65歳。3歳からスキーを始め、約30年前にスノーボードに軸足を移した。以後は、大会の運営や普及活動などの面で、日本のスノーボード界に貢献。財団法人全日本スキー連盟のスノーボード部門専門委員も務めている。

 津軽塗のスノーボードを思い付いたのは、友人の津軽塗職人・舘山次郎さんとの何気ない会話からだった。「津軽塗で何か新しいことをしてみたい、という舘山くんの言葉を聞いて、津軽塗のスノーボードをひらめいた」と八木橋さん。しかし、スノーボードは板に圧力がかかりねじれやたわみが生じるため、漆器には向いていないことが課題となった。

 そこで八木橋さんは、付き合いのあったスキー・スノーボード総合メーカー小賀坂スキー製作所(長野県長野市)に、実現できる芯材(基盤となる板)を作れないか相談。同製作所も関心を示し、試作品の開発を含め3シーズンを経て、2008年12月に受注生産体制が整った。

 「主に50代以上のシニア層をターゲットに絞っている。津軽塗の価値を見いだしてもらえる世代」と八木橋さんは話す。以後、毎シーズン全国各地からオーダーを受けているという。都内のスポーツ店では展示用として飾っている店舗もある。

 現在は赤・黒・緑の3種類の「唐塗」と呼ばれる津軽塗に対応。津軽塗には4つの技法があるため、今後は他の技法での制作も検討している。

 価格は21万円(税別)。

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